ぴろりのくせになまいきだ。

世間に平和はおとずれなぁい

バドミントンのへんなところ

近年バドミントンが放映される機会が増えて、いちバドミントンプレイヤーとしては嬉しい限りです(部屋のテレビにテレビコンセントからのケーブルは繋がっていませんが)。

しかし思うところがあるのです。
バドミントンってどんなスポーツか今ひとつ理解されていないんじゃないかと。
どういうものかわかっていれば、きっともっと面白いはずだと思うのです。
やったことがない人からすると、スマッシュすげえ反射神経すげえ、くらいにしか映っていないのかもしれないなあと思うと少しやるせないのです。

ということで今回はバドミントンの変なところといいますか、特徴的なところについてちょっとお話したいと思います。
今回はボールであるところのシャトルコックについてです。


バドミントンは球技に分類されますので、当然バドミントンの"球"があるわけです。
もはや球形ではないのでそう呼ぶのには違和感がありますが、円錐形の例のアレはシャトルコック、もしくは単にシャトルと呼びます。
円錐の先は半球状のコルクでできていて、そこに水鳥の羽根が16 本刺さっています。
そして羽根の軸の部分が糸と接着剤で固定してあるような構造になっています。
この水鳥の羽根、フォアグラにされたガチョ…うわなにをするやめろ(真偽の程は定かではありません)

ちなみにナイロンでできたシャトルもありますが、公式の大会では使われません。
遊ぶ分には十分ですが。

重量は約5 g程度と非常に軽いです。
調べてみたら100円玉と同じくらいらしいです。
軽い物体を加速するのに必要なエネルギーは小さくて済むので、速度を上げやすくなります。
軽いシャトルがバドミントンを最速のスポーツ足らしめている主な要因であると言えます。


そしてシャトル最大の特徴は『とんでもなく空気抵抗が大きくすぐに減速する』ということです。
ゆっくり落ちてくるので初心者でも当てやすく、比較的とっつきやすいのでいい特徴ですね。

軽くて空気抵抗が大きいので、初速がいくら世界最速(500 km/h弱)の球技とはいえ、飛んでくる頃には大したことのない速度になっています。
そして何より遠くまで飛ばしにくいです。

裏を返せば、思いっ切り打っても大して飛ばないということになります。
飛び始めて少しすると放物線の軌道から外れていき、かなり手前に落ちます。
これを利用すれば、相手の頭の上めがけて思いっ切り打つと、頭の上を通り越したあと減速してほぼ垂直にシャトルが落ちてきます(クリアーと呼びます)。
減速するというシャトルの特徴によって、ほかの球技にはなかなかない立体的な展開が見られます。

後ろに上げたり前にふんわり落としたり床と平行にまっすぐ飛ばしたり鋭角に打ったり、などなどショット(シャトルの飛ばし方・飛び方)が多彩な競技かなと思います。
テレビの放映だと真後ろからのアングルが多いので高さや角度がわかりにくいですが、実はシャトルの高さがバドミントンのラリーで重要なポイントです。
ちょっと注意してみて見ると面白いかもしれません。


大して飛ばないとは言いましたが、シャトル自体は非常に軽いので多少の力でも飛んでいきます。
指でラケットをちょんと動かしてやるだけでも結構な勢いで飛んでいきます。
これを利用すると、構えとは違うところに打ったり全く別のショットが飛ばせたりします。いわゆるフェイントというやつです。

バドミントンはシャトルの飛ばし方・飛び方が多彩だと言いましたが、フェイントを入れると〇〇の構えから飛んできた□□ということになり、更に種類が増えます。
例えば、スマッシュ(一番速いショット)の振りをしておいて、いざ打つときはラケットを止めるようにして前に落とす(ドロップといいます)、ということをします。
そうすると相手は、速いシャトルが飛んでくることを警戒して後ろで守ろうとしますので、急に飛んできた前に落ちるシャトルに対応できない、ということになることがあります。

こういった駆け引きが試合中の一つ一つのショットで常に行われていると言っても過言ではありません。
言いかえれば常に『騙し合い』ながらラリーをしているようなもので、プレイヤーは常にどんなショットが飛んでくるか予測しながらプレーしています。
体力的にもしんどいスポーツではあるのですが、同時に頭脳戦でもありクレバーでなくてはなりません。
すぐに分かるものではないかもしれませんが、そういう視点を少しでも持っていただけるなら幸いです。


ラケットそのものやラケットの動かし方、打ち方などについてはまた今度書きたいと思います。
戦術的な面での駆け引きもとても面白いのですがまたの機会とします。


まとめると、

シャトルは軽いので速いがすごく減速する
・様々なショットがあり高さを考慮した立体的な展開が繰り広げられる
・フェイントで常に騙し合いをしている頭脳派なスポーツでもある

ということになるかと思います。

バドミントンの試合を見る機会がありましたら、これらのことを思いだしていただければ幸いです。

ちなみにスマッシュすげえと反射神経すげえの回答は、シャトルが軽いからとても速いということと、減速するから意外となんとかなるのとある程度予測してるからということになります。


最後までお読みいただきありがとうございました。
書き始めたら思ったより長くなってしまい申し訳ありませんでしたという気持ちはあるのですが、それだけバドミントンが面白いスポーツですよということで締めたいとおもいます。

またよろしくお願いします。