ぴろりのくせになまいきだ。

世間に平和はおとずれなぁい

冴えない部下の育て方

冴えない部下の育て方というより、「ぼくのかんがえたさいきょうのじょうし」です。
もっと言うと上司にこうあって欲しいという願望です。
要するにクソ上司ってたくさんいるよねって話です。

最強の上司のポイント、まとめると以下の4点です。

・できるようになるまで教えろ
・仕事の責任と質を明確にしろ
・モチベーションを明確にしろ
・自分と同じ苦労をさせるな

各項目について思うところを書いていきます。



・できるようになるまで教えろ

「〇〇って言ったよね?」とか、「何回言えばわかるんだ!」とか、言われる方の身にもなってみろというものです。
一回言ったくらいでできるような人なんているわけないのです。
「自分はできた」、「自分はこうしてきた」、などはだいたい幻想です。
過去の自分を美化しているに過ぎません。

怒鳴りつけたり高圧的になったりして部下(だけでなく聞いている周りの人)の生産性を下げるくらいなら、最初からできるようになるまできちんと教えればいいのです。
そうすれば部下のミスのリカバリーをすることも減り、自分が後々楽をできると思うのですが。

ここで注意すべきは、ただやることを教えるのでなく、理由や目的も同時に教えるということです。これに関しては後述します。

また、「わかった!」と「できた!」は別物です。
実際にやってみるとわからないことが出てくるものです。
そもそもわかったつもりでもわかってないことが多くあります。
手取り足取りレベルで教えておいて、後ろで見守りながらやらせてみて、一人でやらせるにしてもたまに様子を見て、というステップを踏むべきかと思います。

マニュアルに書いてあるからそれを読め、というのもあるかもしれませんが、だいたい明文化されていない部分が存在するかと思います。
しろという話もありますが、そのような『コツ』は教えておくべきだと思います。
習得が早くなるならそれに越したことはないと思います。

自分で考えなくなる、自発的に動かなくなる、などといった批判もあるかもしれません。
一理あるとは思いますが、『守破離』の『守』、つまりベースになる部分もなく、いきなり『破』など不可能だと考えます。

部下にきちんと教えておくことは、上司にとっても部下にとってもハッピーなはずです。
なんたって後で楽ですから。



・仕事の質を明確にしろ

「これやっといて〜よろしく〜」とか、「適当によろしく」とか、ぶん投げるタイプの上司、これもよろしくないと思います。

何故なら「どこまでやれば良いか」が明確でないからです。
それでいてあとで「そうじゃないんだよな〜」とか「もうちょっとこう…」とか言い始めたら最悪です。
どの程度のクオリティでやれば良いのか言わないでおいて、想像力をフルに働かせた挙げ句そんなこと言われたらやる気なんてなくなるというものです。
最初からそう言えとお願いされた側が思ってしまうのは当然ではないでしょうか。

この「どこまでやれば良いか」というものにはもう一つの意味があると思います。
それは、どの範疇までやれば良いのか、ということです。

どこからどこまでを考えてやれば良いか、どこまでの範囲を盛り込めば良いか、といったことは仕事を投げた本人だけがわかっていても投げられたほうはどうしようもありません。
部下の察しがとても良いならば何とかうまくいくかもしれませんが、そんな部下はいつの間にか上司になっているか別のところに行ってしまっているでしょう。

後述するモチベーションにも関わってきますが、どういう仕事をお願いするのかという説明を端折るのはゴールが見えないのでやる方としては非常に困惑します。
何を、いつまでに、どれくらいの質と範囲で、ということは明確にすべきでしょう。



・モチベーションを明確にしろ

仕事の指示は明確だしやることはわかるけど、それだけしか言わない上司はあまり部下が育たないと思います。
そればかりか部下の仕事の効率もあまり良くないと思います。

それは何故かというと、「何故その仕事をやるのか」ということがわからないからです。
要するにやる気が出ないのです。

仕事をする方も人間ですから、上手におだてて頼むというのはお互い気持ちよく仕事をするためには重要だと思います。

先生が言っていてよく覚えているのが、「顕微鏡屋のテンションを上げろ」というものです。
大学時代に顕微鏡を覗いてもらう仕事をお願いしたことがあるのですが、そのときに先生から言われました。
このサンプルはどういったものであるか、どういった結果が出ているのか、何を明らかにしたいのか、などを丁寧に説明する、というものです。
顕微鏡を覗くのはなかなかに根性のいる仕事なので、そういったことを説明して「価値のある仕事」であると理解してもらうことが重要であろう、という趣旨だったと理解しています。
ちなみにかなり頑張って測定していただき、エクストラの測定もしていただけたのはよく覚えています。

つまり、この仕事はこういった全体の流れのここで、こういった理由があるからこれこれこうして欲しい、ということを内容とともに伝えるべきではないかということです。
仕事の背景をきちんと説明しようとすると、求められる仕事のクオリティや範囲も明確になりますし、色々セットになるので記憶に残りやすく覚えるのも早くなると思います。

仕事のやりがいって、自分の仕事と成果が結びついているかわかることからくると個人的には思っているのですがどうなのでしょうか。



・自分と同じ苦労をさせるな

失敗することがわかっているのに、もしくは自分が同じことで苦労して答えを知っているのに、黙っていたり教えたりしない人、個人的に一番嫌いです。
徒に部下の時間を無駄にするだけですし、あとで無駄だったことを知ったときには気が滅入ります。
早く言えよ、以外のコメントがありません。

自分で考える習慣がつかないとか、何も考えずに聞くようになるとか、言いたいことはわかりますが、考える方向性が間違ったまま突き進ませるのは得策ではないでしょう。
少なくとも方向性だけは示すべきだと思います。

また、自分がした苦労を部下にもさせることは組織としての時間の無駄だと考えます。
30秒言えばやらなくて済むのに1時間かけて失敗させるのは、組織で何かに取り組んでいる意味がないと思います。

こうすればうまくいく、こうすると失敗する、といった方法論は組織内で広く共有されるべきであり、組織が大きくなるほど効率が良くなっていくと考えられます。
いわゆるノウハウの蓄積ということなのでしょうか。
門外漢なので理解が間違っていたら申し訳ないのですが、機械学習と同じことなんだなあと思います。



以上、冴えない部下の育て方でした。

・できるようになるまで教えろ
・仕事の責任と質を明確にしろ
・モチベーションを明確にしろ
・自分と同じ苦労をさせるな

上司の皆さんには上の4点を実践していただいて、一人でも多くの新人や若い人が成長できるように、また無駄なストレスなく仕事ができるようになるといいなあと思います。

雑多で長くなってしまったので、ポイントを絞った具体的なこともまた書ければと思います。


さてうちの上司は上記の4点を全くやってくれないのですが何とかならないものでしょうか。
冴えない部下なりに育とうと思っているのですがなかなか難しいものです。