わたしは大学1年のときにエントリーモデルのロードバイクを買ってから、ちまちまパーツを買い足しながら今もそれに乗っています。
買おうと思ったきっかけとしては、父上がクロスバイクに乗ってて楽しそうだったということです。
それでちょっと乗せてもらったら、大袈裟でもなく感動しました。
いわゆるママチャリとは全然違って乗っていて楽しいのです。
漕いだ分だけ軽く進むし結構スピードは出るし上り坂も楽だしギアの数も多いし、といった具合でした。
ちょっといい自転車に乗りたいと思った理由は人それぞれでしょうが、そんな人の背中を正しく押すことができればと思います。
以下の4点をトピックとして書きたいと思います。
・どんなところで乗りたいか
・予算と買えるもの
・必要な備品
・自転車に乗るときの心構え
では、とても長くなりますがよろしくお願いします。
・どんなところで乗りたいか
この問い、まずどんなのに乗りたいかということで一番重要です。
それによってロードバイクなのか、クロスバイクなのか、はたまたマウンテンバイクなのかということが決まります。
先人が色々解説してくれているので詳しい解説は省きますが、だいたいわかっていていただきたいのは下の関係です。
←速い (速度) あまり速くない→
←悪い (乗り心地) 良い→
ロード クロス マウンテン
クロスバイクはロードバイクとマウンテンバイクのあいのこで、ロード寄りもあればマウンテン寄りもあります。
これを頭に入れておいてください。
街乗りが主、つまり移動手段として捉えているのであれば、比較的価格も高くないクロスバイクをおすすめします。
街乗りだと比較的段差もありますので、少しタイヤが太めのもののほうが乗り心地も良くなります。
舗装路をひたすら遠くまで乗るというのであれば、ロードバイクになると思います。
自転車に乗って遠出したい、とにかく速く走りたい、というのであればほぼロードバイクを選んでおいて間違いはないと思います。
マウンテンバイクはなんじゃということになるんですが、林道などの舗装路ではないところやちょっとした砂利道までどこでも入れます(というイメージです)。
あと、街乗りをするぶんには段差に強いので乗り心地はとても良い(はず)です。
なにぶんマウンテンには乗ったことがないので半分憶測で申し訳ないです。
そして価格帯とクオリティに関して把握していないところがあるので、以後はほぼ言及しません。
ご容赦ください。
どんなところで、また、どんな目的で乗りたいかというところから選択すると良いと思います。
移動手段が欲しいのであればクロスバイク、自転車に乗ることを楽しみたいのであればロードバイク、という選択になると思います。
・予算と買えるもの
◆3-5万
こんなこと言ったら怒られますが、ちょっと色々怪しいものが手に入ります。
基本的にこの価格帯はおすすめしません。
見た目が気に入った、とか、安いのがいい、というのであれば止めはしませんが。
理由は、パーツが微妙だからです。
ちょっと遠出を考えているのであれば、安全性に直結するブレーキの性能があまり良くなかったり、適切なパワーで漕ぎ続けるのに重要なギアの段数が少なかったりとちょっと微妙です。
街乗りしかしません、とか、そこまで予算がかけられない、というのであればこの価格帯でも良いと思います。
◆5-7万
ちゃんとしたクロスバイクが買えます。
主には移動手段だけど、ちょっとした遠出もしたい、というのであればこのあたりです。
クロスバイクを買うのであればだいたいこんなもんだと思っていただければと思います。
クロスバイクのコストパフォーマンスが良いのはこのあたりだと思います。
まれにこの価格帯で売っているロードバイクもありますが、ドロップハンドル(曲がった角みたいなやつ)をつけただけ、みたいなものでしかありません。
後述しますが、ロードバイクであればもう少し高い価格帯をおすすめします。
◆7-9万
クロスバイクにしてはいいやつが買えます。
ちょっと遠出を考えるけど普段使いもしたい、というのであればこのあたりです。
この価格帯だとぼちぼちロードバイクが買えるのですが、あまりおすすめはしません。
理由は、先ほどのクロスバイクの説明と同様に、あまりいいパーツがついていないからです。
クロスバイクと同じグレードのパーツがついていることが多く、遠出をしたいとか、速く走りたいという意味ではあまりおすすめできません。
◆9-12万
ロードバイクのエントリーモデルが買えます。
最近だと下から二番目くらいの扱いになっているロードバイクかもしれませんが、このあたりがエントリーモデルとしてはおすすめです。
某自転車部品メーカーに限った話で恐縮ですが、このあたりだと下から二番目のモデルのパーツがつき始めます。
ここからギアの枚数も1つ増えるのでとりあえず使えます。
とりあえずそこそこちゃんとしたロードバイクに乗りたいな、という方はこのあたりでしょうか。
ちなみに私が最初に買ったものはこの価格帯でした。
十分使えるし楽しめます。
◆12-15万
このあたりから場合によってはさらに一つ上のパーツがつき始めます(型落ちとか特売だとたまにあります)。
わりと元気です、昔運動やってて体力には自信があります、めっちゃ乗りたい、お金に糸目はつけないからちょっといいやつにしたい、という方はこのへんが狙い目です。
レースに出ようという気概がある方はこの価格帯から始めてもいいのかな、と個人的には思います。
◆15-20万
初めて買うにしてはかなり奮発しましたね、という価格帯です。
ただ、この価格帯だと12-15万あたりでつくことがたまにあるといっていたものが確実についています。
ちなみにギアが10枚から11枚になります。
ギアの枚数が多いと何がいいの?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、より細かく負荷を変えられるので、快適に漕ぎ続けられます。
あと、ブレーキの性能がかなり違います。
わたしの個人的なものではありますが、一つ下のモデルだと、遊びがなくいきなりブレーキがかかる印象です。
0か100かでしかかからないのでいきなりブレーキを握るとタイヤがロックしてしまって転びかねないなあと思ったことがあります。
まあ何が言いたいかといいますと、この価格帯も悪くないよ、ということです。
安全性や快適性を考えると満足いくものになると思います。
◆20万以上
わたしもこれくらいが欲しいですねえ。
車体の素材の話を一切していませんでしたが、このあたりからCFRP(カーボン繊維強化プラスチック)のものが買えることがあります。
それまではアルミ合金かクロ厶―モリブデン鋼(鉄)のものがメインになります。
自転車のフレームには、「軽くて」「丈夫で」「振動を吸収してくれる」素材が適しています。
そんな無茶な、という話ですが、カーボンフレームはそれをすべて満たしてくれています(ただしせん断応力に弱い)。
簡単な星取表を書いておきますのでご参考までに。
(強度とは何をもってというツッコミはありますが総合的なものでわたしの主観ということでお許しください)
アルミ クロモリ カーボン
軽さ ○ △ ◎
強度 ○ ○ △
振動吸収 △ ○ ◎
話は戻って、この価格帯の自転車を一台目に買うことは別に止めはしませんが、それなりに高価なものとなりますので、色々やらかしがちなはじめての一台としてはあまり推奨しません。
しかし楽で安全であることは確かなのでお金に余裕があれば、というところです。
まとめると、クロスバイクであれば5-7万、ロードバイクであれば9-15万あたりがとりあえずおすすめできます。
ちなみにですが、迷ったときは見た目で選ぶことをおすすめします。
自分が乗っててカッコイイと思えるものが一番ですし、愛着もわきます(性能差は気合で埋めよう)。
・必要な備品
完成車(走るためのパーツが全てついているもの)を買えば、確かにその自転車は走ります。
しかし、法令上必要なもの、安全のためにあったほうが良いもの、楽しく乗るためにあったほうが良いもの、快適に乗るためにあったほうが良いもの、などなど色々あります。
重要度が高い順に列挙します。
・ライト(必須)
・ベル(確かないといけない)
・テールライト(強く推奨、反射板でも可だが)
・ワイヤーロック(要するに鍵、持っておくと無難)
・ヘルメット(車道を乗るなら強く推奨)
・室内置きスタンド(ロードの場合は強く推奨、防犯&劣化防止)
・サイクルコンピューター(速度計のこと、あるとすごい楽しいので強く推奨)
・空気入れ(空気圧管理が重要なので自前で持つことを推奨)
・グローブ(長距離を乗る場合は推奨)
・サングラス(夏場はあると楽、あと虫など目に入らないので)
・ツールセット(ちょっとした修理や調整に便利)
・予備のチューブ&タイヤレバー(出先でパンクしたときに自分で直せると安心)
・ボトル&ボトルホルダー(長距離を乗る場合はあると良い)
・サドルバッグ(長距離を(ry
・レーシングパンツ(あのぴっちりしたやつ、長距(ry、ケツが痛くなくなる素晴らしいアイテム
・サイクルジャージ(あのぴっちりしたやつ、長距(ry
・ビンディングシューズ&ペダル(感動的に楽になるが、最初はやめたほうが無難)
・その他お手入れセット(店が近くにない場合は自分でやることになるので)
何か抜けてる気がしますが、細かいことを言い始めるとキリはないのでこれくらいにしておきます。わりとあります。
安かろう悪かろうなところがあるので、安全に関わるパーツはそれなりにお金をかけるべきかと思います。
(ヘルメットをしていると、死ぬところが骨折で済むらしいです[要出典]。頭を守るのは大切です。)
ここで各パーツについて説明し始めるときりがないので割愛します。
ちなみに推奨レベルのものを揃えると、5万近くなってしまうかもしれません。
クロスバイクレベルならば1万くらいで済むと思いますが。
(自転車は維持費が安いというのはそうかもしれませんが、パーツがどんどん欲しくなるのでそうでもない人が実は多い。)
何かあったらわたしをはじめ自転車に乗っている人、専門店の店員さんに聞くのが確実です。
ただ強調しておきたいのは、夜間乗る可能性があるのであればライトは明るいものにしておくこと、テールライトは必ずつけること、です。
そしてちゃんと付ける・点けることです。
薄暗いくらいが意外と危ないので、夕方からきちんと自分の存在をアピールすることが重要です。
ネット通販で自転車が買えるご時世ですが、実際に相談できる人がいるというのは大切なことかなあと個人的には思います。
パーツに関しては本体以上に色々ありますので尚更かなと思います。
困ったら先達に聞いてください。
・自転車に乗るときの心構え
これを書きたくてこの記事を書き始めたところがあります。
とにかく心構えが重要だと思っています。
自転車乗りの心構えを3つ挙げます。
・楽しく乗ること
・安全に乗ること
・周囲に配慮すること
以下、詳細について言及します。
・楽しく乗ること
とにかくこれが一番です。
何が楽しいか、というのは人それぞれだと思います。
遠くに行く、気持ちよく乗る、仲間と乗る、レースに勝つ、景色を眺める、美味しいものを食べる、自転車をいじる、などなどあると思います。
どれも素晴らしい体験です。
ぜひちょっといい自転車に乗って、数々の楽しいことを見つけ、体験していただければと思うのです。
そして、この本来素晴らしいはずの体験を台無しにしないために、安全やマナーなどに留意していただきたい、と一人の自転車乗りとして強く思うのです。
したがって安全と周囲への配慮は必ず心構えとして持っておいていただきたいのです。
そのうえで楽しむという前向きな姿勢があると、より楽しい自転車ライフとなるのではと思います。
・安全に乗ること
楽しく自転車に乗り続けるために、安全に乗ることは欠かせません。
怪我をしてしまっては乗れませんし、乗るのに抵抗ができてしまいます。
場合によっては生活に支障をきたしたり、命に関わることもあります。
まず認識しておいていただきたいのは、自転車は非常に危険な乗り物である、ということです。
ロードバイクであれば、50 km/hくらいの速度が出ます。ほぼ生身で、です。
2輪で接地面積が大きくないためスリップしやすく、路面状態の影響を受けやすく、さらにブレーキはかかりにくいです。
車とぶつかれば怪我をするのは確実に自転車側ですし、車道で転ぶと非常に危険です。
さらには歩行者に対して加害者となってしまうこともありますし、車など他の通行者の事故を誘発することもあります。
ここでわたしが強調したいのは、車道において交通弱者である自転車は「自衛する」べきである、ということです。
車の免許を持っている方はおわかりだと思いますが、車には死角があります(具体的には真横から斜め後ろあたりです)。
例えば自衛するということは、この死角には入らないようにする、ということです。
追い越しや障害物を避ける際に後方確認をする、というのも自衛です(しない人のなんと多いことか)。
法律も改正されましたのでこれはもはやルールですが、車道の右側通行をしないことも自衛の一つです。
備品のところでも述べましたが、自分を認識してもらうことは非常に重要ですので、前照灯やテールライトをつけることも自衛です。
あと認識してもらうという意味では、手信号も有効です(意味を理解してくれるドライバーがどれだけいるかは疑問ですが)。
そして何かあったときに程度を軽くするため、また安心感を得るために、保護具を装着しておくことも自衛です。
また、自転車に乗っていると思ったより水分が失われます(汗をかいても風ですぐに蒸発するため)。
そんな状態で炎天下の運動するわけですから、熱中症にもなりやすいです。
ものすごく日焼けもします。
そしてエネルギー不足で動けなくなることもあります(ハンガーノックといいます、痩せている人はなりやすい傾向にあります)。
そういった意味でも自衛しなければなりません。
楽しいけどリスクはある、ということは覚えておかなければなりません。
リスクを許容できる範囲にして、楽しく乗ることが大切だと考えます。
・周囲に配慮すること
車道において自転車は交通弱者であると同時に『邪魔者』です。
最もエコであるはずの自転車が車に虐げられるのはおかしい、自転車専用道路を整備しろ、というのはわたしも思わなくはないですが、整備されているところばかりではありません。
交通の流れを極力妨げないように立ち回るべきであると考えています。
歩道にある程度の幅があれば、自転車が通行していい、という標識があることがあります。
この場合は、自転車は軽車両なので車道を走るべきであるが、歩道を走っても良い、という意味合いです。
歩道でも『邪魔者』なわけです。
歩行者が優先であることは留意しなければなりません。たとえ乗っている自転車がママチャリであっても。
自転車と歩行者で事故を起こした場合、怪我をするのはたいてい歩行者であり、加害者になりうることもあるのは覚えておくべきです(保険もあるので入ろうね!)。
また、車を駐車場に停めるように、自転車も駐輪場に停めるべきです。
通行の妨げとなってはいけませんし、みだりに私有地に置いていいものでもありません。
自転車乗りといえばあのぴっちりしたやつを着て、サングラスをかけて、ヘルメットをかぶって、という例の格好であることも多いです。
その格好で観光地に入ることもあるでしょうが、果たしてお洒落な店に入っていいかは少し考えたほうがいいかもしれません(コンビニに入るのは許してもらおうと思っていますが、サングラスとヘルメットは外したほうがベターかと)。
出先でのゴミ等を持ち帰る、というのは自転車に乗るからという話以前ですが、目立つ格好をしている以上は徹底すべきかと思います。
自転車乗りが周囲から応援されるような立場にしていくことが、自転車に楽しく乗っていくうえで必要なことであると考えています。
楽しく乗るため、また乗っていくために、安全とマナーには気をつけよう、という話でした。
とても長くなりましたが以上です。
最後になりますが、自転車に乗ることはとても楽しいことです。
ちょっといい自転車に楽しく乗る人が増えれば幸いです。
何かありましたら(わたしをはじめとした)親切な自転車乗りに聞いてください。
喜んで相談に乗ります。
それでは楽しい自転車ライフを!