父上がなかなかにひどいオタクだったのもあって、自分のことをいわゆるオタクだと認識したのは高校生になってからだったのですが、それなりに長いオタク歴になってきたので、こういうの好きなんだよなあというのを挙げてみようと思います。
・作品の冒頭に中盤から終盤にかけての重要で印象的なシーンを提示する演出
最近だとペルソナ5がそれ最高やって言いながらやっていました。
10/31にペルソナ5 ザ・ロイヤルが発売になりましたが、どうせ冒頭なので少しネタバレしてしまいます。
RPGの類は主人公の名前を自由に決められるパターンが多いですが、このゲームでは主人公が逮捕されるところから始まり、供述書にサインをさせられるところで主人公の名前を入力します。
そのあとなんやかんやあるのですが、冒頭のシーンが避けられない未来であることが示唆されます。
(たぶんこれくらいは開始30分まででわかるのでセーフ)
そのシーンに向かってしまうことがわかっているので、絶望感だったりキャラの変化だったりのことをいいと思っているのでしょうか、とても好きなのです。
こいつこんなにいい顔してるのに、こんなに仲が良さそうなのに、でもああなってしまうんや、という感じで見ているので、ある意味見る方にメタ的な優越感を付与してくれる手法なのかもしれません。
また、そうすることで状況の変化を効果的に対比し、キャラの心情の変化を浮き彫りにするのかもしれません。
あと個人的に印象深いのは喰霊-零-ですかね。色々相まって好きな作品です。
・同じところから見た景色が違って見えるやつ
本当によくある演出の手法ですが、良いものは良いのです。
最近だと天気の子で効果的に使われていた記憶があります。
日常でも、ふとした景色が違って見えることはよくあります。
単純に時間や天気であったり、感情的な部分であったりはしますが、そういった体験をされた方は多いのではないかと思います。
そういったちょっとした新鮮さや感情が揺れ動く様は、親近感を与え感情移入を起こさせる効果がありそうですね。
・オープニング曲がエンディングで流れるやつ
アニメの最終回にありがちなアレです。
最終回に限ってオープニングがなく、エンディングでオープニングが流れるやつです。
ゲームでもたまにある演出ですよね。
オープニングがその作品を象徴していればいるほど、なんか、いいよな。
・シーンの切り替わりがかっこいいやつ
映像作品でよくありますが、形や色といった共通の要素を持ったものを繋がりとして、ズームイン&ズームアウト、フェードアウト&フェードインのような感じでシーンが切り替わるやつです。
お洒落だなあといつも見ていますが、それだけでなく一方そのころ的なニュアンスも醸し出されるのでしょうか。
こういうふうに多くを語らず演出で語ってしまうのが個人的に好きなのかもしれません。
・意趣返し
そもそも普遍的なテーマであるのですが、良いものは良いのです。
個人的には、やられたやり方をそっくりそのまま返すやつが好きです。
ミッション:インポッシブル ローグ・ネイションとかのガラス張りのあれとかとても好きです。
あとは復讐に駆られて行動していたけど、復讐をいざやり遂げてしまうと自分には何もなかったことに気づくやつも好きです。
最近だとオクトパストラベラーでみましたね。
そこから真の生きる意味を見いだして欲しいものです。幸せになってくれ。
・気づいていなかったけど深い愛情をかけられていたことに気づいてしまったやつ
わたしはだいたいこれで泣きます。
最近だと空の青さを知る人よのこれでやられました。
あと家族計画の青葉ルートも似たような理由で泣きました。
こういうわだかまりが解けるシーンに基本的に弱いのかもしれません。
愛情を返す対象がいてもいなくてもそれぞれの良さがあると思っています。
それぞれすれ違ってしまっていたけど、お互いのことは思い合っていたというのが大好物なんですかねえ。
なのでパルフェの里伽子ルートも大好きなのを思い出しました。
里伽子は仁の嫁ですが。
そういえば魔法少女まどか☆マギカもこの要素たっぷりでしたね。
やはりこれも大好きでした。
・誰も悪いことをしていないのに最悪の方向に物語が進んでしまうやつ
みんないいキャラなのにどうしてこうなってしまったのというやつ、嫌いじゃないです。
ゲームではプレイヤーによくメタ的な視点が付与されるので、良かれと思って、相手のことを思って、といった行動が実はためになっていない、ということを俯瞰できることがあります。
映像作品でもたまにある演出の仕方かもしれません。
ダメな方向に物語が転がっていくことに気づいてしまったときの、あの何とも言えない胸くそ悪さが好きなのかもしれません。
ニーア オートマタで何回か見たぞというやつですね。
・よく考えると社会問題等を痛烈に風刺しているやつ
「よく考えると」の部分が重要です。
明らかに風刺しているのはエレガントではないと思うのです。
例えば、キャラの発言として社会問題に言及している風刺しているというのはあからさますぎると感じるのです。
描いているテーマそのものであってもいいし、舞台設定の細かいところから滲み出る世界観であってもいいのですが、隠れてはいるけど作者の強烈な主張があるというのが好きです。
逆にこれがない作品は物足りなく感じてしまいます。
作者の強烈な感情の塊をぶつけられたいのかもしれないなあと思います。
色々雑多に挙げてみましたが、我ながらなかなかアレだなあと思いました。
後輩のオタクに映画の感想で演出について言及したら、「先輩もやっぱりオタクなんだなって安心しました」というコメントを頂戴したのを思い出しました。
三つ子の魂百までとはよく言いますが、こういう気質が変わることはないんだろうなあと思います。